ULTRA LIGHT TRAVEL
ウルトラライトトラベルの考え方

Q . そもそもウルトラライトトラベルってなんぞや?

A . 荷物の超軽量化を目指した旅のスタイル。

ウルトラライトとはその名のとおり“超軽量”を意味する。もともとは登山やハイキングの用語。
アメリカの超ロングトレイルで生まれた考え方で「シンプルな道具で、より自然に親しむ」ことを軸に、荷物を軽量化すること目指した登山スタイルを指している。正式にはウルトラライトハイキング(ULH)だが、短縮してウルトラライト(UL)とだけ呼ばれることが多い。

そしてウルトラライトトラベルとは、ULHの考え方を旅に当てはめた筆者の造語だ。しかし、この考え方を旅に活かすことは、登山以上にたくさんのメリットがあると筆者は考えている。

超軽量の旅スタイル、ウルトラライトトラベル

Q . なぜ旅は荷物がすくないほうがいいのか。

一番の理由は登山と変わらない。背負う荷物が軽いと身軽で楽だからだ。しかしそれ以外にも旅ならではのメリットがたくさんあるため、いくつか簡単に挙げてみた。

  • 飛行機移動の際に預け荷物がなくなり費用の節約になる。
  • 飛行機を降りればそのまま出口に向かうことができ、無駄な時間を過ごさなくてすむ。
  • そもそも預けないため、ロストバゲージの心配がなくなる。
  • 旅慣れを感じさせるため、盗人や詐欺師から狙われにくくなる。
  • メインバッグを持っていても小回りが利くため、旅先で柔軟に行動する気がおきる。
  • 登山と違い、万が一足りないものがあっても現地で購入が可能。

客観的に見ても、旅の荷物を減らすことのメリットはかなり大きいと思う。逆にデメリットは荷物の取捨選択を厳しくしなければならないことと、機内持ちこみ意外の荷物を運べない(刃渡り6cm以上の刃物など)点だけだろう。
しかしウルトラライトトラベルは全てのバックパッカーにオススメするスタイルでは決してない。ウルトラライトトラベルを実践する前に、自分の旅の目的をもう一度思い出してみる必要があるだろう。

Q.そもそもなぜあなたはバックパッカーとして旅にでるのか。

自分の旅の一番の目的はなんなのか。ウルトラライトトラベルを目指すには自分の旅のスタイルを見つめ直すことが必要不可欠だ。

あなたは何の為に旅に行きますか?

まずはここを改めて考えてみよう。筆者の場合は簡単にいうと、「自分がまだ見たこと感じたことがない世界」を「自分の身の丈にあったお金や思考の範囲の中で自由気ままに体験すること」が旅の一番の目的だと思っている。写真は撮るしブログも書くが、あくまで最優先はそれではない。

ではあなたはなぜ旅に出るのだろうか?
「美しい景色を写真に収めたいから!」「世界のかわいい雑貨をたくさん買いたいから!」「現地のローカルフードを食べ尽くしたいから!」「世界の美しい海に潜りたいから!」。理由は人それぞれバラバラ。しかし、カメラマンレベルの美しい景色を写真に収めたいのであれば重くかさ張る一眼レフを持っていかなければならないだろうし、雑貨を大量に買いたければ荷物の量は必然的に増えるだろう。
このように旅の目的によっては荷物を減らすウルトラライトトラベルのスタイルをそもそも選ぶべきではないことがある。本来の一番の目的はなんなのか。もう一度自分自身で見つめ直そう。

それがないと本当に旅ができないのか、自分で考えよう。

旅とは新しい世界に飛び込む分、不安が常に隣り合わせに存在する。すると人間は最低限+αの”保険”をかけ始める。もちろん海外保険など病気・ケガといった健康面に対する”保険”は筆者も推薦するが、荷物に対する”保険”は断固反対、全く必要ないと思っている。

またグーグルに「バックパッカー 荷物」などと検索するとたくさんの魅力的な荷物をたくさんのバックパッカーが紹介している。旅の熟練者達の意見だ。ものすごく参考になる。だが所詮参考にしかならない!

先ほども記載したように旅のスタイルは人それぞれ。みんなが紹介している荷物を全部詰め込めば便利にはなるだろうが、それに比例して重量がどんどん増えていってしまう。
これから旅の荷物を軽くしたいと真摯に思う人は、日本人にありがちな「人と同じでないことに対する抵抗」という、どうでもいい感性を捨てる必要がある。

必要になるかもしれない荷物を片っ端から全部詰め込めば、あっという間にバックパックがパンパンになるだろう。自分の旅の目的やスタイルに対して本当に必要なものはなにか。一度、思い切りのいい取捨選択をしてみよう。

ウルトラライトトラベルには旅のちょっとした経験がないと難しい。

筆者の初めての海外バックパッカーはカンボジア。たった10日間の旅だったにもかかわらず重量は10kgをゆうに超えていただろう。それでも自分的には最低限の荷物のつもりだった。
バックパッカーの多くは旅が慣れるにつれ、ようやく自分にとって必要なものが分かり、荷物の取捨選択がまともにできるようになるもの。初めての旅でいきなりウルトラライトのスタイルを目指すのはかなり無理があるだろう。

また、ウルトラライトトラベルを目指すとアイテムごとにも軽量性を求めることになる。そして、それはこのままで快適に使えるとは限らず、使う側に工夫・技量と臨機応変な選択が求められることが多い。
つまり使い勝手が決していいものではないということだ。分かりやすい例がタオルだと思う。軽量性を求めればアウトドアの化繊系のタオルなどになるが、綿のふわふわのタオルと違い、肌触りが独特で決して気持ちのいいものではない。そのかわり、軽く速乾性も高い。そういったことを理解したうえで持ち物の選定を行なえるようになることが、ウルトラライトトラベルには求められると言っていいだろう。

超軽量の旅スタイル、ウルトラライトトラベル

ウルトラライトトラベルの根本の考え方。

ながながと荷物を減らす考え方を書いてきたが、あくまでウルトラライト(UL)トラベルは、身軽にそして最低限の荷物だけで“楽しく快適に旅に出る”スタイルのことだ。自分の中の優先順位を明確にし、無理なく荷物を減らすことでしか生まれないスタイルだと筆者は感じている。

無理をするのがウルトラライトトラベルではない。あくまで旅は楽しいもの!
大抵のものは旅先で買い足せることを思い出しながら、まずは気軽に荷物を減らしてみてほしい。